【連載】生死の境と家系の配線 全3話‐番外編
名都王 紅伽
私の父は、2021年夏、余命三日と宣告されたあと、統理術で場を支え、二ヶ月で退院しました。そのあとも、心身の場を整えるサポートを途切らせずに続いています。
このお話は治癒の手柄話ではありません。宣告された像と、いま息をしている像が、同じ身体の中で二重に残っていた、という記録です。
継続治療のためのホルモン注射を、父は毎月受けているのですが、薬剤が体に入ったあとは、毎回翌々日まで、死にそうなほど調子が落ちるのだと、その都度父は私に電話をかけてきます。父の場(主に身体)を統理すると、その波はぴたりと収まることが続いていました。
今回は、苦しむ前になんとかならないものかと、注射の直後に電話越しで統理してみることにしました。すると、いつもの月次の苦しさが、来なかったのです。あとから戻すのではなく、薬が入った瞬間の場に先に手が届いた形でした。
その代わり、父は右腕——おそらく腕全体——が痺れる、と言いました。私がスキャンしたときに先に来た像は、「脳梗塞」でした。高齢であること、注射のあとの循環の負担を思えば、一度病院で検査を受けること。万が一の時は、迷わず救急車を呼ぶよう伝えました。
統理と救急(医療)は対立しません。
父には毎日、電話をかけて浄化を受けるように伝えています。先ほどかかってきた時、父の声は、「体調が良い」でした。
もう一度、全体をスキャンすると、初回の梗塞色は、中枢そのものには残っていませんでした。左の脳を見にいくと、脳より、首筋から肩にかけて滞りが見えたのです。問題の焦点は「通路」にありました。

次に身体全体を統理(浄化)してみると、同じスキャンの途中で、初めての感覚が走ったのです。二重のフィルム、写真風のものが、速い勢いで点灯する。ゆっくり現像されるのではなく、露光が一気に走る感じです。
一枚は、余命三日として固定された記録。もう一枚は、退院してのち、注射の波の中でも息をしている記録。終わったはずの像と、続いている像が、同時に感光したのかもしれません。
父の場には、長くその二層があったのでしょう。私はこれまでそれが見えていなかったのです。また、点灯が速かったのは、開くべきものを無理に開いたからではなく、二者のあいだで「記録が揃った瞬間(※)」だった、と私は受け取っています。
※表現がこれ以上うまくできないため、ニュアンスだけお受け取りください。
じつは、私の統理は、片方の意志で人生を書き換える術ではありません。父が受け、こちらが触れる。電話の「こちら」と「あちら」。「宣告された側」の時間と「生きている側」の時間。いつも二つあるのです。
効くほど、先の段取りまで踏み出したくなる、という自分の「クセ」に今回気が付くことができました。梗塞になったら厄介だ、余命を意識しなければならない、と先のことを心配し焦るのです。その焦りは、相手の通路ではなく、支える側の足の方が先に歩き出す。そんな「クセ」なのです。
しかし今回は、スキャンした内容をなんとかしようとするのではなく、像を見て手順を渡し、フィルムを一度見て、終わりの設計に。となり、いつものパターンにハマることはありませんでした。介入の手前で止まった。止まった場所が、二者の境界なのです。
この記事は、募集やサービスの紹介を意図していません。余命の像と続いている像が、同じ場で一度、同時に灯った、という記録です。
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【連載】生死の境と家系の配線 第1話:https://benika168.com/archives/11797
名都王 紅伽
神域再生・統理術 | 領域の主権を、記録の二層ごと取り戻す